ALIEN “TITLE I” T-SHIRTについて

2017-07-05
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TORCHTORCHによる「エイリアン」。
これから様々な展開が待っている中で、その幕開けにふさわしい商品を作りたいと思いました。
映画のはじまりのはじまり、20世紀FOXのファンファーレが鳴り響き、暗転し――ゆっくりと宇宙が現れます。
うおおおおん……という、遠くに聞こえる風の音のような、唸るような不穏な音とともにカメラがゆっくりと右にパンしていき、クレジットがふたつほど現れ、消えたころ
画面の上、真ん中に、「」という謎の記号が浮かび上がります。
それと同時になにか旋律のようなものが鳴りはじめ、今度は左に「」という形が浮かび上がります。
旋律はしだいにはっきりとしていき、「ああ、宇宙の音ってこんななのかもしれない」と思いはじめます。
それと同時に、謎の記号はひとつまたひとつと増え
タイトルが完成しました。
映画史上もっとも美しく恐ろしく、不思議な心地よさを感じさせられる、至福の1分40秒。
謎にはじまり次第に明らかになってゆくストーリー、静かな恐怖、これから起こる惨劇の予感を感じさせる、誰もが認めるタイトルバックの最高傑作です。
ロバートとリチャードのグリーンバーグ兄弟(のちのR/GA)、そして巨匠ソウル・バスが手掛けました。
映画の幕開けを、商品展開の幕開けに。
第一弾商品にふさわしいモチーフです。
こうして「TITLE Ⅰ(タイトル・ワン)Tシャツの制作がスタートしました。
まずは画面に浮かぶ形を完全にトレース。ただの四角にならないよう角の丸みまで丁寧になぞり、2010年ブルーレイ発売時の超高画質化による、「Eのマスク跡」まで完全再現を試みました。
何のことやらと思われるでしょう。最終的に「E」の文字になる「|」の記号の、右側にほんの……ほんのほんのわずか、三本横棒が浮かんでくる部分だけエッジの「にじみ具合」が違うというものです。
大型テレビで見ても言われないとわからない、下手すると言われたところで「?」となる程度の微妙さですので、Tシャツへの落としどころは見つからず……その試みは試みだけで終わりましたが、意気込みだけでも感じていただければ幸いです。
問題の「」。右側の線がなんとなくでこぼこしている。
そして、映画史上もっとも優れたキャッチコピー、「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」――「In space no one can hear you scream.」

この名コピーも使わずにはいられず、ポスターを完全にトレース。ポスターの文字はHelvetica。1957年誕生と長い歴史を持ち、今なお世界で最も使用されるサンセリフ書体です。

1979年当時のポスターは当然パソコンを使っておらず、写植です。パソコンでベタ打ちしただけではこの雰囲気を再現できません。

ポスターを高解像度スキャン、その上にHelveticaを置き、カドの丸まりや微妙なゆがみを加えていきました。

完成したのがこのグラフィックです。

トレースを徹底したので、ファンにとって「見慣れた、おなじみの形」になったはずです。ただ長方形を配置しただけ、ただHelveticaを打っただけでこの雰囲気は出ません。

「In space no one can hear you scream.」は、読んだときのリズムと「you」、「scream」に孤独感を持たせたいと考え、タイトルの間に分解しました。

デザインによるのですが、今回はメイングラフィックができあがってから裾か袖にアクセントを入れるべきだと考えました。エイリアンそのものではなく、惨劇の舞台となる「ノストロモ号」がふさわしいと思い、裾に配置。

公開年度である「1979」を添えました。メインデザインを進めるうえで「写植のHelveticaの味」を掴み、当時の雰囲気が漂う文字の間隔・形状ができたと思うのですが、いかがでしょうか。

カラーはブラックのほか、ヘザーグレーとホワイトを用意しました。

好きな方ほどにやりとできるモチーフで、マニアックさで言うとかなり高めですが

 

着る方や場所を選ばない、「モロ感」を徹底して避けたデザインです。
「文字から当時の空気感を味わう」というのはなかなか得がたく、とても楽しい体験でした。
皆様もぜひお楽しみください!

ご注文はこちらからどうぞ。
「ALIEN/ “TITLE I” T-Shirt」
http://www.torchtorch.jp/alien/title1.html

ただ、「モロなもの」を作らないかというと……それはそれで作らないではいられないのです。
次回作も、どうぞお楽しみに。

Harada