第一弾商品にふさわしいモチーフです。
問題の「|」。右側の線がなんとなくでこぼこしている。 |
この名コピーも使わずにはいられず、ポスターを完全にトレース。ポスターの文字はHelvetica。1957年誕生と長い歴史を持ち、今なお世界で最も使用されるサンセリフ書体です。
1979年当時のポスターは当然パソコンを使っておらず、写植です。パソコンでベタ打ちしただけではこの雰囲気を再現できません。
ポスターを高解像度スキャン、その上にHelveticaを置き、カドの丸まりや微妙なゆがみを加えていきました。
完成したのがこのグラフィックです。
トレースを徹底したので、ファンにとって「見慣れた、おなじみの形」になったはずです。ただ長方形を配置しただけ、ただHelveticaを打っただけでこの雰囲気は出ません。
「In space no one can hear you scream.」は、読んだときのリズムと「you」、「scream」に孤独感を持たせたいと考え、タイトルの間に分解しました。
デザインによるのですが、今回はメイングラフィックができあがってから裾か袖にアクセントを入れるべきだと考えました。エイリアンそのものではなく、惨劇の舞台となる「ノストロモ号」がふさわしいと思い、裾に配置。
公開年度である「1979」を添えました。メインデザインを進めるうえで「写植のHelveticaの味」を掴み、当時の雰囲気が漂う文字の間隔・形状ができたと思うのですが、いかがでしょうか。
カラーはブラックのほか、ヘザーグレーとホワイトを用意しました。
好きな方ほどにやりとできるモチーフで、マニアックさで言うとかなり高めですが
着る方や場所を選ばない、「モロ感」を徹底して避けたデザインです。
「文字から当時の空気感を味わう」というのはなかなか得がたく、とても楽しい体験でした。
皆様もぜひお楽しみください!
ご注文はこちらからどうぞ。
「ALIEN/ “TITLE I” T-Shirt」
http://www.torchtorch.jp/alien/title1.html
ただ、「モロなもの」を作らないかというと……それはそれで作らないではいられないのです。
次回作も、どうぞお楽しみに。
Harada