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本日はシリーズ第6弾。「撃鉄の狩人証」について振り返ります。
■撃鉄の狩人証
複雑な機構を擁する仕掛け武器ばかりを生み出す「火薬庫」の源流、オト工房が発行した狩人証。
入手によって取引可能になるアイテムも、爆発金鎚や時限爆弾など、技術とクセが盛り込まれたものばかり。まさしく異端の工房です。
見慣れぬ形状で、モチーフがなにか掴み取れません。(後に判明します)
狩人証シリーズの原型は、全て大畠雅人さんが担当。
今回も、「これだ!」と思える形状の捉え方。大畠さんはほんとうにすごいです。
ところが、我々は大きな思い違いをしていたのです。
■形状の再考証
撃鉄の狩人証には、鉤型の突起があります。
初期の原型データを確認すると、この突起を別パーツとして造形しています。鋳造の都合ではなく、我々はこの突起のことを「撃鉄」を表現した造形なのだと勘違いしていたからです。
(例に出す銃のクセが強くてすみません。) |
唐突ですが、フリントロック式のピストルです。
赤線で囲った部分が、この銃の撃鉄です。この形、一目瞭然ですね。
左:試作版 右:製品版の鋳造サンプル |
アクセサリーとして、どうまとめるか?
■量産化困難な構造への挑戦
まずはゲーム内グラフィックをもとに、描かれている構造を推測をまじえつつ読み取ります。
原田による図解。 |
赤丸部分が「大きいカンⒶ」 |
……これはまったくだめですね。
■錆色表現の追求
印象を大きく左右する、錆色の表現。
まずは、錆を表現する専用塗料でテストを行ってみました。
錆塗装の確認テストの為、剣の狩人証で実施。 |
かなりいい雰囲気なのですが、爪でこすると塗膜が簡単に剥がれてしまうため、残念ながら不採用となりました。
シンプルに考えます。
ゲーム中ビジュアルでは地金が銅のように見えるので、試しに銅で鋳造してみました。
左:銅で鋳造後、ウェザリング 右:銅で鋳造 |
汚し塗装を加えても、どこか単調で、いまひとつなことがわかりました。
銅の色合いを活かしつつ、深みが出るよう工夫したいところです。
再びシンプルに考えてみました。
色に深みのある金属は、だんとつで銀です。ならば銅に銀を混ぜて、理想の合金を作ってしまおう。
左:銅70% 銀30% 右:銅80% 銀20% |
割り合いを変えつつ、合金を作成。理想的な色を探します。
写真に写っているのは二種の配合ですが、様々な割合で試しました。(その中には、真鍮を加えるといったテストもおこなったりしています)
銅70%・銀30%の合金が、理想の色合いになることがわかりました。